全釧路剣道連盟

第1回全日本剣道選手権大会決勝

(提供:全日本剣道連盟)



第1回全日本選手権大会決勝 榊原正錬士対阿部三郎教士

 第1回全日本剣道選手権大会は、昭和28年11月8日、東京の蔵前国技館で全国より5 3名の剣士が参加して開催。1万人を
超える観衆が集まった。
 本大会は、戦前の剣道界の慣習であった専門家、非専門家の区別を廃し、選手の資格は年 齢、段位、称号などに一切の制限
を設けず、各府県の予選を経て代表者を出し、剣道日本 一を決するという画期的な構想によるものだった。
 優勝の榊原正は大正9年愛知県蒲郡市生まれの33歳、名古屋矯正管区法務教官(剣道師 範)、のちに剣道範士八段。戦前
は名門東邦商業で活躍した剣士。準優勝の阿部三郎は大 正8年福島県相馬生まれの34歳、警視庁の剣道選手でのちの範士
九段。戦前は満州にわ たり満州鉄道大連道場で剣道範士高野茂義のもとで修行にはげんだ剣士である。
 栄えある第1回全日本選手権者となった榊原はのちにこう振り返っている。
「試合が始まった。勝つか、負けるか、無我夢中であった。試合時間もだいぶ過ぎたと思 われるころ、『あっ』と思った瞬間に、出頭の小
手が打てた。『二本目』開始まもなく、 試合終了のベルが鳴った。一本勝ちで試合終了。5分間の試合時間がとても短かったよう に
思われた」(剣道時代2005年5月号より)。

                                            参考文献「剣道百年」(庄子宗光著)
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